NONという人

先日ムック本「創作あーちすとNON」を読み終わりました。本当に素晴らしい本でした。写真が美しいだけでなく、今回は創作しているのんちゃんの姿がいっぱい入れているし、その作成したアイテムの魂も表現されています。雪に覆われている富士山に行って真っ白な世界で撮影することがすごく面白くて、そのお写真も綺麗でした。

でも、私にとってもっとも興味深い内容はやっぱりそのあとの憧れ対談です。いろんな分野で輝いている人たちの話から、「のん」という女の子はどのような女優、どのよう人かをもう一度確かめることができると思いました。

特に始めの桃井かおりさん。一番長い対談でした。自分を「早口言葉が苦手」と言った桃井さんだが、20年ぐらい前にドラマ古畑任三郎シリーズに出演されて、ラジオDJの役を演じられていました。その役は喋りがすごく早いでした。走りも早いけど。桃井さんの演技の自由さがとても印象的でした。対談でも桃井さんは演じることについては自由な表現の大切さを論じました。長年アメリカで暮らし仕事をしていた桃井さんはハリウッドの俳優たちが「クリエイターとして」自分のアイディアをなんでも言えるという仕事場の雰囲気にすごく感心されました。日本の女優はどう撮ったほうがもっとキレイかだけを言うのが残念だって。

のんちゃんのことを「日本の芸能界に構っていまい人」「完全に枠からはみ出てた」とコメントされました。私も同感します。朝ドラでのんちゃんには特別な存在感がありました。これは演技がいいと褒めるわけではありません。演技力はいろんな役をやり遂げるに従って精進するべきものですから。経験に関係なく、のんちゃんは役(天野アキ)を自分らしく解釈して表現して、その場に合わせて反応するタイプだと思います。例えば17回にあるシーン、ユイちゃんの「アイドルになりたい!」という叫びを聞いたら、視線をそらしたのんちゃんの動きが絶妙だったのです。「あまちゃん」はどうして成功したんだかについて、桃井さんの言葉を読んだら、やはりのんちゃんの存在が重要な原因だったと意識しました。あと、「パターンにはまらない」のは本当に珍しい特質です。年月を重ねると人はみんなルールや概念や先入観に多少汚染されていく。でも朝ドラの中ののんちゃんは完全に「ナマ」でナチュラルでした。これからできるだけこのままで生きていってほしいです。

最後にのんちゃんはふるさとに帰りました。山の真ん中の田舎で育っていったのんちゃんは、たぶんその自由な発想と表現も豊かな自然に恵まれていたのでしょう。あとがきにカメラマン鈴木さんの「子供の頃に見てた近所の猿のような芸能界の片隅でキャッキャやっている、追っていくと逃げるけど、放っておくとまた山から降りてくる」という比喩が面白いです。今の時代には皆が夢について語っているけど、夢の道を歩くことが本当に難しい。のんちゃんにもこの二年間いろいろがありました。しかし今ののんちゃんは確実に、「粛々と」自分の好きな道を歩いていきます。その姿がきっと世の中に影響を与えられると信じています。これこそが朝ドラヒロインの魅力です。